現代版仲人とは

婚活なしには結婚しにくい時代へ

山形県最上地域の方言で「ナカドーさん」と呼ばれて親しまれてきた仲人さんは、人と人、家と家の大切なご縁を結んできた方々です。顔が広くて信用信頼の証であった仲人さんは、上司や地域的に権威のある方が結婚式の高砂に上がる頼まれ仲人さんという存在もおりました。

現代においても仲人さんが「ご縁を結ぶ」という役割自体は変わっていませんが、結婚の背景は平成の30年間で大きく様変わりました。平成の結婚事情は、男性も女性も理想のお相手を探すための婚活時代へと突入し、2009年頃には結婚するための活動が「婚活」と呼ばれるようになりました。

 

仲人さんのイメージ

昭和の結婚スタイルから平成の望みを叶えたい婚活スタイルへと変化していくにつれ、昔ながらの方法で結婚を薦めてくる仲人さんには、残念ながら「お節介なおじさんおばさん」「自分には必要ない」「親の望みばかり押し付ける」というマイナスなイメージがついています。

こんなふうに近年では煙たがられ影を潜めてきた仲人さんの存在ですが、令和に入り婚活業界にも少し変化が現れてきました。1人で頑張る男女に疲れが見えてきて、「背中を押してほしい」「相談に乗ってほしい」との声も多く聞かれるようになり、仲人さんにまた注目が集まってきたのです。

 

これからの婚活像

平成同様に手軽に1人で婚活が行えるネットを利用した出会いの創出や大小規模のパーティーイベントへの参加などは今後も継続され、特にネットを活用した婚活の勢いはさらに増していくという予測がありますが、その時々でコミュニケーション不足の問題、異性との経験不足の問題、理想の条件設定や家族が望む条件との不調和など、解決したい問題も山積みです。



ネットなどを利用すれば、課題解決のためにはなんでも簡単に情報が得られますが、良くも悪くも情報過多で迷ってしまうのが本音でしょう。そこで「仲人」という存在を、かつてのようにお見合いを薦める人というだけでなく、良き相談相手として上手に活用していただければと考えています。

 

仲人・相談所の活用

現代の仲人と言えば結婚相談所もその役割を大きく担っており、大手から中小、個人まで価格も方法も様々に、たくさんの方々を結婚へと導いています。ですが山形県内で結婚相談所というと「結婚できない人が行く場所」「恥ずかしい場所」「最後の砦」というイメージがまだまだ残っています。現代の結婚事情や婚活市場の知識を持ち、多くの事例解決のアドバイスができる現代版仲人がいる結婚相談所を、気軽に活用し、多くの方を成婚へと導いていくことが理想です。

 

◆結婚事情の移り変わり

~昭和前半(~80年前)
家と家のつながりとして、ほとんどがお見合いによる結婚。結婚式当日まで相手の顔を知らなくても言われるがままに結婚をした時代。10代での結婚も珍しくない。
昭和中頃(50~60年前)
戦後の高度経済成長期が始まり、外国からの自由恋愛思考も入ってくるがまだまだお見合いによる結婚が盛んで、この時代の7割以上はお見合い結婚と言われている。
昭和後半(30~40年前)
自由恋愛が増え、ほとんどの場合は就職先で結婚相手を見つけると言っても過言ではなく、上司や同僚が結婚に向けて背中を押してもらえた。22~24才くらいが結婚適齢期と呼ばれた。
平成(30年前~現在)
理想を追い求める時代となり、ネット検索、お見合いパーティーなど、人の手を借りずに結婚相手を自分で探す婚活スタイル。行政主体の婚活パーティーも増加した。
令和(現在~)
何才であっても、どこにいても、1人でいるよりはパートナーにいて欲しいと願う事実婚スタイルが増えると予想されている。年齢や仕事や性別にすらもしばられない結婚の形となっていくでしょう。